*この作品はぶんか社「2008ケータイ着うた&着メロカタログvol.18」に紹介されました!

Shorty!〜僕の彼女〜

Shorty!〜僕の彼女〜のお部屋です。 本編、スピンオフ、番外編などお楽しみください★

目次

2009/10/11 09:25 

Shorty!〜僕の彼女〜

◆あらすじ
イケメンヘアスタイリスト「海渡」23歳。モテモテの店長…ついたあだ名は処女キラー。田舎から上京し、入店したばかりの「花子」20歳。彼氏いない歴20年、失恋回数数知れず。処女。天真爛漫、素直な田舎娘に振り回される海渡は……!
「Shorty!」=ショーリィ(女の子・若い娘・魅力的な女・自分のガールフレンドを呼ぶときのフレーズ) 
これ、スラングなんです。
ラッパーなんかが「ヘイ! ショーリィ!」なんて言ってるときは、自分の彼女の事だったりします。


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★本編目次★ 
こちらが本編です!全65話完結

★スピンオフ目次★ 
スピンオフです。一話完結です。

★小さい花目次★ 
気まぐれ更新。一話完結の徒然日記


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日記その5

2009/10/08 22:44 

*小さい花の日記*

その5



◆梅干ちゃん◆

梅干に恋をするお話









「もしもし? 海渡君? 花子もうそろそろだから」

 電話の声はお義母さん。

 おおお、つ、ついに! おおおお、落ち着け俺。
 
 ちょうど俺はお客様の仕上げを終えたところで。
 いつも俺を指名する、梶原ちなさん、86歳。 

「あの、いよいよ生まれそうなんで……あと、店頼むね」

 スタッフに告げると、みんなの顔もパッと明るくなった。

「行ってらっしゃい店長!」

「はやー、はずめてのコッコがあ、まんず急げ!」

 スタッフばかりじゃなく、ちなさんにまで励まされてしまった。

「あ、はい、行ってきます」

 すぐに車に乗り込み病院へ。
 俺と花子の初めての子供で、昨夜、真夜中に破水した。

 しかしちょうどいいタイミングだったからよかった。偉いぞ、チビ助。
 なんか落ちつかねえ……。
 ちょっとハンドルを持つ手が震えてる。

 とにかく間に合えば立会いたいって希望は出してたんだけど。

 病室に着くと、花ちゃんはうんうん唸ってた。

「あ、旦那さん、腰、さすってあげてください」

「は、はい」

 看護師さんに言われたとおり、俺は腰をさすり始める。

「花子、だいじょうぶ?」

「ううう、おおおおお、だ、だいじょ……いでででええ」

 歯を食いしばってて、顔には汗が浮き出ている。

「ダ! イダ! イダダ!」

 おおお、ど、どうすればばば……。

「旦那さん、声かけてあげてくださいねー」

「花子ー、頑張れよー」

 な、なんかマヌケな感じだな、俺。
 現場を目の前にしたら完全にテンパってしまった。
 あんなにシミュレーションしてたのに……いざとなったらもうどっかへ吹っ飛んだ。

「ひ、左!」

 え? あ、左ね。
 慌てて左側をさする。

 花子はぐうと唸って、喘ぎ始めた。
 痛いって叫んでたときより、痛そうに見える。
 お、俺まで痛くなってきた。こんなときまで仲良ししてる場合じゃねえぞ。

「に、にぎ!」

 は? にぎ? み、右のことか?
 意味不明だが感覚的に捉え、右をさする。

「うおおお……」

 苦しいんだな。
 俺こそ落ち着かないと……し、しかし、看護師さんになにやら処置されてるのを見るともう、頭が真っ白になってくる。

 花子、頑張れよ……。
 手を差し出してきた。それを強く握ると恐ろしい力で握り返してくる。

「山下さん、ヒッ、ヒッ、フー、ヒッ、ヒッ、フーですよー」

 俺も花子と一緒に呼吸を合わせて……。

 ヒッヒッフー……ヒッヒッ……。

 あ、あれ? な、なんか変だぞ……お、俺どうしたんだ?

「あ! 旦那さん、過呼吸になってます! ちょっと!」

 目の前がクラクラしてきた。

「ほれ! 紙袋、かぶって!」

 は? 言われてることがわかんねえぞ。
 いきなり息が苦しくなって……目の前が暗くなった。


 ◇◇

 目を開けると病院の天井が。何してたんだ、俺……。

 はっ! 花子! こ、子供は!

 がばっと跳ね起きると、お義母さんが……。

「あら、お父さん起きた?」

 クスクス笑ってる。

「おめでとう、パパさん。すごいいいタイミングよ」

 え? ええ〜?!

 過呼吸で気を失ってる間にペロっと生まれちゃったらしい。
 お義母さん曰く、びっくりするほどの安産だそうで。

「あ、あの……」

 後頭部がズキズキする。たんこぶができていた。
 
「早く、顔見てあげて?」

 俺は急いで花子のところへ。

 うわ……。
 
 花子の隣に何かいる。
 俺は自分が気絶したことも、いきなり目の前に現れた光景にもショックを受けて仁王立ち。
 花子の顔はすごく安らいでて……なんていうか今まで見たことない顔で、笑ってる。
 隣の赤ちゃんを見つめながら。

「あ、ほら、パパが来たよー」

 俺を見てにっこりしてくれた。

「ごめん、俺、倒れた時に頭をぶつけたみたいで……気絶してた」
 
 なんてマヌケな報告なんだ。がっかりだ。

「ううん、早く顔、見てあげてください?」

 ベッドに近づいて、覗き込んでみる。
 すっごい……しわしわの……俺のお客様の梶原さんよりしわしわの我が子。
 おおう……梅干ににてるぞ。
 正直実感が無くて、夢を見てるみたいだ。気絶していたからかな。

 でもそのしわしわの梅干がすげえ可愛く見えるのが不思議でしょうがない。
 ポカンとしてる俺を見て花子が言った。

「……二人で頑張って人間にしていきましょうね、この梅干」

 俺は吹き出してしまった。
 その途端、花子とその隣で眠っている梅干に愛しさがこみ上げてきて。
 フニャフニャしてる梅干のほうへ指を差し出し、ほっぺを突っついてみる。

 ぎゅ。

 な、なんだ? 
 いきなり梅干が……偶然俺の指を掴んだ。
 その瞬間、胸がきゅんとして……。
 
「えへへ……」

 それを見て、花子が笑いながらポロっと涙をこぼしたんだ。
 やばい、なんだこの気持ち。
 鼻の奥がツンとする。
 
「わかるんだね。パパが好きなのかな?」

 花子のなんでもない一言が、妙に胸に迫る。
 この柔らかくてふわふわしたものはなんだろう?
 そこにいるだけでいいって思った。
 上手く言えないけど……ただそこにいてくれるだけでいいって。

 
 俺は梅干に恋をしてしまった。




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日記その4

2009/09/06 18:27 

*小さい花の日記*

その4



◆韓流スター◆

思いがけない偶然。
珍騒動に海渡災難。





>> つづきを読む
「似てますねー」
「ほんと、ある角度から見ると良く似てる」
 最近よくお客さんや業者の人に言われるんだよなー。
 誰に似てるのかって聞くと、韓流スターって言われるだけで誰だかわかんない。
 ま、別にいいんだけどさ。
 そんなある日、ネットで検索してたら……え? 何これ?
 偶然出てきた画像に釘付け。
 あれ? これ俺?

「ちょっと! こっち来て!」
 俺は花ちゃんを呼んだ。
「なんですかあ?」
「いいから早くー」
 何々と言いながら、画面を覗き込んだ花ちゃんはいきなり吹き出した。

「げ!」
 両方の手で口を押さえながら、軽く悶絶している。
「似てるー!」
 だろ? 
 画面に映っているのは韓流スターの画像。
 俺もこの画像はミラクルに似てると思うんだよなー。
「はあー、韓国に双子の片割れがいたんですねっ」
 そんなわけは無いが、まさにそんな感じでその写真は似てた。
 調子に乗ってこの俳優のほかの写真を見るとそんなでもないんだけどさ。
 この斜め45度の笑顔の写真がすげえ似てる。
 笑いを誘うほどだ。
 韓国の俳優に似てるって言われる意味がやっとわかった。

「韓国行ったら斜め45度のこの笑顔で歩くよ」
「ひゃあ、この写真でパスポート作れるかもニダ」
 花ちゃんはひゃっひゃっと笑ってる。かもニダってなんだよ。
 
「あ、そろそろ行かないと。間に合わないですよー」
 そうだった。今日はロボが神戸に旅立つ日で見送りに行こうってことに。
 俺と花ちゃんは東京駅に向かう。その間もずっと花ちゃんはふざけてなんちゃって韓国語でわけわかんないことを言っていた。
「あっちへ行くニダ」
 ……あほか。似てたのがおかしくて仕方ないらしい。
「アンニョンハセヨー」
 あんまり面白がってるから、俺も付き合ってやろうと思って適当な韓国語で話す。
 韓流好きのバカップルに見えたんだろう、周りの人が俺達を怪訝な顔で見ていた。
「カムサハムニダー」
 斜め45度でにっこりして調子に乗っていると花ちゃんはまたもや悶絶。
 はあーと笑いをこらえて思わずしゃがみ込む。

 ──ドカッ。

「のわっ」
 しゃがみ込んだところへいきなり人が突進してきて、花ちゃんはコロコロ転がった。
「ちょ、ダイジョウ……」
「あ、あの!」
 花ちゃんを助け起こそうとしたら、さっきの人が俺の前に立ちはだかる。

「エ・リンギさんですよね?」

「はあ?」

 その一言を合図にさっきまで怪訝そうに見ていた人達が一気に押し寄せ、揉みくちゃに。
「きゃあー!」
 え? え? 何? なんなの?
 てか花子はどこだ?
「サインしてください!」
 はあ? 
 ちょ、エ・リンギってあの韓国俳優の名前じゃん。
「いえ、僕、ちが」
「握手してくださいっ!」
 人だかりが口々に訳わかんないことを叫んでる。
 ああ、調子に乗ってたらとんでもないことに。
 どうやらエ・リンギと間違われてるみたい。
 嘘でしょ? は、話が出来すぎだろ?
 しかしなんだこいつら、離れろよー! 花子、助けてくれよ!
 てかマジで何処いったんだよ、花ちゃんは!
 キョロキョロとあたりを見回すと……。

 あ! ロボだ!

 一際でかいしモヒカンをおっ立ててるからすぐにわかる。
 群がる人が増えてきて、なぜかおばちゃんが多い。
 もちろん人が変に群がっているから、ロボはこっちを向いた。
 おい、俺だ! 気づけ! 救出しろよ!

 ええー?

 目が合ったのにロボはまたふいっと前を向き、誰かに手を振っている。
 誰に手を振ってるんだと思って見ると、花ちゃんがいて……って、ええ!?
 と、隣に俺がいるー?
 ちょ、なんで! ひええええ! ドッペルケンガーかよ!

 もうとにかく騒ぐおばちゃんたちを掻き分け、三人の方へ這うようにして向かった。

「あー、あっちよ、あっち! あっちが本物よー!」

 おばちゃん達の群れは俺を通り過ぎて走っていく。
 するともう一人の俺はさっといなくなってしまった。

「リンギー!」

 ものすごいターボ全開で追いかけていく集団を見送る。
 はあはあと息を荒げながらロボと花ちゃんのもとへ。

「ちょ、なんなのー? はあ、はあ」
「いやー、びっくりしましたよ。韓国人俳優がお忍びなんだって。俺こんなの初めて見たっす」

 目を丸くして興奮しているロボ。
 おい、待てよ。
 なんで外タレが新幹線なんだよ。

「新幹線に乗りたかったんだって。エ・リンギさん」

 ニヤニヤ三日月目の花ちゃん。

「ちょっと。俺を置いてキミは何してたの?」
「あー、ワタシの上司はあなたにそっくりなんですよって言って、写メを見せてたんですー」
 
 それは出掛けにふざけて撮った斜め45度の俺に、花ちゃんが寄り添っている写メだ。
 てかさー、上司って何? 
 彼氏って言えよ、彼氏って!

「そしたら似てるって驚いて喜んで。おんなじポーズで写メ撮ってもらいました」
「見せなさい」

 何だよ、ほんとにおんなじポーズ。
 プラス肩に手を回してますけど。
 上司とこんな写メ撮る訳ないだろうが。

「ラッキーですね! こんなこともう二度と無いですね!」

 ロボと興奮して頷きあっている花ちゃん。
 もみくちゃにされている俺を見捨てて、こんなことになっていたとは。

「本当は二人で撮ってほしかったなー。でも店長呼んだらおばちゃん達まで来ちゃうし」

 ものすごい残念がってる。いや、確かにそれは面白いだろうよ。しかし俺は面白くないぞ。
 ピラニアの池に放り込まれた餌で、その餌に群がっている間に……ってな映像が頭に浮かぶ。

 その後、新幹線に乗り込んだロボを二人で見送る。
 見送った後、俺は花ちゃんにどうしても聞きたくて口を開いた。
 

「マジで上司って言ったの?」
「か、か、彼氏って……ほんとは言いました」
 ちょっと赤くなってる花ちゃん。
 彼氏ってちゃんと言ったのか。
 よしよし……ってちょっと待て。
「どうやって言ったのさ。韓国語喋れないだろ?」
「そ、それはボディランゲージで」
「ふーん」

 え? 何?
 ボディランゲージ? 
 おい、いったいどんなボディを使ったんだよ。

「どんなふうに?」
「そ、それは……内緒です」

 ぴゅっと走り出した。

 おい! コラ! ちょっと待てー!



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本編目次

2009/09/05 20:22 

Shorty!〜僕の彼女〜

★本編★

本編はこちらです!どうぞお楽しみください^^



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【本編目次】

>> つづきを読む
●その1 花子泥酔
●その2 花子入社
●その3 花子メール
●その4 花子ホテルイン
●その5 花子ベッドイン
●その6 花子イン!?
●その7 花子ヘルプ
●その8 花子約束
●その9 花子熱帯魚
●その10 花子特訓
●その11 花子猪木
●その12 花子走る
●その13 花子モデル?!
●その14 海渡困惑
●その15 花子号泣
●その16 海渡不安
●その17 ジャニーズにて
●その18 花子お邪魔する
●その19 海渡男気
●その20 海渡敗北
●その21 花子連行
●その22 僕の彼女
●その23 Shorty…
●その24 初めての商店街
●その25 初めての行ってきます
●その26 初めての忘れ物
●その27 海渡ジレンマ
●その28 桜咲ク。
●その29 初めてのお弁当
●その30 初めてのケンカ?!
●その31 花子決心
●その32 花子告白
●その33 一番になりたい
●その34 スタッフ大移動
●その35 龍次郎と聖子ちゃん
●その36 旅行計画
●その37 佐伯ビーム
●その38 初めてのいい日旅立ち
●その39 初めてのプレゼント
●その40 なんて名前の気持ち?
●その41 おじいちゃん
●その42 山田家の人々
●その43 海渡エケッコーに祈る
●その44 花子ピンチ
●その45 カムアウト
●その46 花子頑張る
●その47 海渡自信喪失
●その48 花ちょうちん
●その49 美容師になりたい
●その50 海渡ピンチ
●その51 花子ボンバイエ!
●その52 離れる?離れない?
●その53 送別会
●その54 海渡走る
●その55 お別れします
●その56 音信不通
●その57 お父さん
●その58 海渡叫ぶ
●その59 傷心
●その60 龍次郎動く
●その61 海渡飛び出す
●その62 神様お願い
●その63 龍次郎
●その64 花
●エピローグ

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スピンオフ目次

2009/09/02 12:23 

スピンオフ

本編いかがでしたか?
こちらはスピンオフのお部屋です。本編をお読みになってからお越しくださいね♪
花子と海渡を取り巻く仲間達のお話、お楽しみください★
あなたのお気に入りのキャラがいると幸いです。



【スピンオフ目次】

>> つづきを読む
●その1 佐伯ビーム
●その2 ゴスロリ百合さん
●その3 龍次郎vs花子
●その4 龍次郎vs花子2
●その5 横ちゃんVS優奈
●その6 少し先のお話
●その7 ある日の会話
●その8 最後の番外編


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